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日本人が英語喋れないのは英語教育が悪いからだ、という認識はそろそろ見直すべきだと思う

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日本人が英語を喋れないのは日本の英語教育が悪いからだ、というのは昔からよく聞く話で、私もテスト重視の日本の英語教育は全然ダメダメだと以前は考えていました。

 

ただ最近こちらのブログを読みまして、日本の英語教育がこき下ろされているのを見ると、どうも私は天邪鬼なので別に日本人が英語喋れないのは英語教育のせいじゃないんじゃないの?という話をしたくなってきました。

学校での英語教育

そもそも学校での外国語教育だけで喋れるようになんかならない

そもそも学校での外国語教育だけで外国語を自由に操れるようになれというのが無理な話です。

学校では何十人という生徒を1人や2人の先生で教えるわけで、そうなると会話練習なんていうのはなかなかできないのでどうしてもリーディングや文法重視になってしまいます。

 

ですので、そもそもシステム上英会話の場数が踏めないので、どれだけ学校が質の良い英語教育を提供しようとも英語を喋れるようにはなりません。

 

学校教育だけで英語をマスターしようなんて言うのが甘い考えだと思います。

日本だけじゃなく、他の国も似たようなもの

日本人は他の国の人に比べて英語ができないという話を聞くので、他の国はもっと優れた英語教育をしているんじゃないかという気がしますが、実際はそうでもありません。

 

カナダは色々な国から留学生が来ているので、どうやって英語勉強したの?とかいう話をすることもあるんですが、学校教育で会話練習をいっぱいして喋れるようになった、何ていう人は聞いたことがありません。

やはり学校教育は文法などが中心の場合が多いようです。

 

※例外として、外国語ですべての授業を教えるような学校に通っていた人は学校教育で外国語を喋れるようになっている気がします。

例えばカナダだとFrench Immersionといってフランス語ですべての授業を教える学校があって、早い場合は幼稚園からそういうところに通ってバイリンガルになっているようです。

日本の英語教育はむしろいい方かもしれない

また、よくよく考えると実は日本の英語教育は他の国に比べてそんなに悪くないんじゃないかって思います。

確かに英会話はダメダメですが、文法やリーディングはかなり力を入れているので、論文などのおかたい文章を読む分には非常に役立ちますし、ライティングもそれなりにまともな文章がかけるようになっていると思います。

 

カナダにいる他の国から来た人の中には、結構ペラペラ英語喋るけどライティングになると全然だめという人も結構いるようなので、学校教育で学ぶべき英語力というのは日本人はかなり身についている方なんじゃないかと思います。

なぜ日本人より他の国の人のほうが英語できるような気がするのか

でも、いくら外国語教育はどこの国も似たようなもんだと行っても、現実に日本人より他の国の人のほうが英語が喋れる人が多い気がします。

 

もしこれが日本の英語教育のせいではないとしたら、何が違うんでしょうか?

 

私は、「積極性」と「危機感」がポイントだと思っています。

積極性

色んな国の人と一緒に英語の授業を受けると、日本人とそれ以外では明らかに積極性が違いました。

 

特にインドや中東から来た人はガンガン喋る印象が強く、例えば英語の授業で先生に当てられて答えを求められたときなどに、質問に答えるだけではなくその後全然違う話ガンガン繰り広げて授業を脱線させる(しかも文法はめちゃめちゃ)ような人はざらにいました。

 

周りからしたら結構迷惑ですが、やはり英語は喋ってなんぼなのでこういう風に間違った英語でもガンガン喋るような人はすぐに上達します。

 

日本人にはこういった積極性がかけている場合が多いので、それが日本人が英語ができない理由の一つになっていると思います。

危機感

また、日本人には英語習得に対する「危機感」も足りていないんじゃないかと思います。

 

ほとんどの日本人は、別に英語ができなくても人生で致命的に困るようなことはないはずです。

英語ができないと年収200万円分くらい損していますよ、というネット記事があったりもしますが、そんなの職種や業種によるに決まっているし、ぱっと数字だけ出されても自分の話をされている気はせず危機感にはつながりませんよね。

 

これが、もし今後日本の産業が衰退して日本国内に仕事がなくなって、英語を喋れなかったら日々満足に食べていく分すら稼げないが、英語が喋れたら高収入な仕事が選び放題だという世の中になったら、皆必死で英語を練習して喋れる人が増えるはずです。

 

おそらく途上国で日本ほど経済が安定していない国の人は、現状で日本人よりも英語を喋れることによって得られるものが大きいので、危機感をもって英語を習得する人が多いんじゃないでしょうか。

まとめ

というわけで、そもそも学校の英語教育は英語を話せるようになる仕組みになっていないので話せなくて当然で、だいたい他の国もそんなもんです。そもそも学校教育にそれを期待するほうが荷が重い。

むしろリーディング力などを考えると日本の英語教育はうまく行っている方なんじゃないかという気がします。

 

学校教育よりも、日本人が英語を喋れないのは積極性と危機感のなさのせいな気がしますが、性格はなかなか変えられるもんではないのでもし国民全員に英語を習得させたいなら、危機感を煽る方向で考えたほうがいいんじゃないでしょうか。

 

まあ私としては日本人皆が英語喋りだしたらちょっと気持ち悪いし、なんか世界の均質化に一役買う気がして嫌ですが。

 

また、危機感とは違いますが、ソフトバンクが昔導入した「TOEIC900点で100万円支給」というような現金による動機づけも効果があるかもしれませんね。(一時金じゃなくもっと恒常的に頑張らせる仕組みが必要だと思いますが)

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